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小林歯科新聞vol.55
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あっという間に4月も半ばが過ぎて、桜も終わり、新緑が眩しい季節となりました。
そろそろ衣替えしないといけないなぁと思い、もう流石にぶ厚いセーターは着ないだろうと、重い腰を上げて片付けました。
ついでに本棚の整理もしようと片付けていると、子供の小さい頃のアルバムが目に留まり、つい片付けを忘れて見入ってしまいました。お掃除あるあるですね。
赤ん坊のころの写真を見ながら「可愛いかったなぁ。でもお腹空かせて夜中に泣いたり、抱っこしないと泣きやまなくて大変な時期だったなぁ。」と思い出しました。眠くて仕方無くても、可愛い自分の子だからこそ起きてミルクをあげたり、オムツを替えたり、抱っこしてあやしたりできるのだと思います。そして、それは永遠には続きません。一時の事です。
先日、NHKの「TVシンポジウム・重い病気の子と暮らしと学びをどう支えるか」という番組を見ました。
皆さんは「もみじの家」って聞いた事ありますか?
もみじの家とは医療的ケアが必要な子供の為の短期入所施設です。
医療的ケアとは、気管切開、人工呼吸器、たんの吸引、経管栄養など、医師と看護師・家族のみが行ってもいいケアの事。
このケアすべてにあてはまる子供の場合、24時間・365日、お父さん、お母さんは目が離せず、昼夜問わずお世話しないといけないので、出掛ける事もできないし、ゆっくり眠る事もできません。
そんな家族が息抜きする場、悩みを言える場を作ってあげたいというコンセプトで作られたのが「もみじの家」です。
今、日本は世界で最も新生児の命を救っていると言われているそうですが、大切な命を救える分、重度の障害や病気を持つ子供が増えているそうです。
そして、その子供のケアをするのは当たり前のように親です。それはそうなのですが、親だって人間です。我が子の障害を受け止めるのに必要な時間だって、疲れた身体を休める時間だって必要です。
金銭的な負担から、肉体的な負担、精神的な負担を一気に背負う事になった苦しみから、愛する我が子が亡くなってくれないかなと願ってしまった事もあると涙ながらに話されていたお母さんもいました。こんな事を言うと母親のくせにと非難されるでしょう。
でもこのお母さんは正直だと思います。24時間・365日ずっと休めなかったら、誰だってつらくて逃げたい気持ちになりますよね。
そして救わないといけないのは親だけでなく、親以外の人や、同年代の子供と触れ合う事のない病気の子供です。彼らは一日中家で過ごし、学校に通えません。
そんな彼らがこの施設で色んな刺激をもらうのは成長の為に大切な事なのです。
この番組を見ていて、本当に辛い人、苦しんでいる人は私達の見えない所にいるんだなぁと痛感しました。
このような施設がたくさんできて、大変な思いをされているお父さん、お母さん、子供達が救われる事を願って止みません。
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